開発ツールの無料化と機能制限の意味
Microsoftは、Visual C++ 2005 Express Edition(VCEE)などを無料化しました。今回はこの無料化の意味を考えてみることにします。
VCEEは、次のような開発機能をサポートしていません。
・Active Template Library(ATL)
・Microsoft Foundation Class(MFC)
・リソースエディタ
ATLとMFCは、オブジェクト指向的に言えば、Microsoftが独自に実装したクラス階層です。これら2つのクラス階層を除き、国際標準仕様をサポートする機能は無料化されたと考えてよいでしょう。つまり、このようなサイトから無料公開されているWindows API学習教材に含まれる標準C言語ベースのサンプルコードやこのブロッガー(MicrosoftのRaymond Chen氏)が公開する標準C++言語ベースのサンプルコードは、問題なくVCEE統合環境でビルドできます。
VCEE(標準C/C++)の無料化は、ATLとMFC(Microsoft固有資産)の有料化という事実を表面化させてくれました。この事実を一般化すれば、ソフトウェアビジネスで成功するためには、無料と有料の両面の作戦が必要であることがわかります。実際、このメモを読むと、2006年度から"無料と有料"の境界設定が重要な意味を持ってくることがはっきり分かります。
筆者は、VCEEの無料化の背景には、Microsoftの次期インターネットビジネス戦略があると考えています。同社は豊富な人材を抱えています。Gates会長はこれまでずっと、"インターネットをプラットフォームにする"と主張してきました。ぜい弱性のパッチコードはインターネット越しにこれでもかこれでもかと配布されました。それはインターネット活用事例の一つとみてよいでしょう。Gates氏はこれまでの主張内容を実行に移す時期が来たと判断したと思われます。
VCEEはC++設計思想を重視しています。C++設計思想に触れておいて損をすることは何一つありません。Java、C#、PHPなどのスクリプト言語は、C++設計思想から誕生しています。VCEEは、C++設計思想を学ぶための、「便利、かつ、無料で入手できる」統合開発ツールです。
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本日は2009-01-06です。